Special 01 Interview 「視聴者の半歩先を目指して」徳光和夫×相川弘隆((株)いまじん代表取締役社長)

第2話 目指すべきは、「一歩」ではなく「半歩」先。徳光和夫に「悔しい」と言わしめた、いまじんの魅力とは?

対談風景

インタビュアー:—確かに『行列』は新しい企画をどんどん生み出していますし、チャレンジの多い番組ですね。

相川:調子の良いうちに、チャレンジをしておくことが大切なんです。そうすると、色々なチャレンジが財産になって、調子が悪くなった時にその引き出しから出してくることができる。『行列』は、その試験場になっているわけです。その試験場も調子が良いお陰で、いまじんは引き出しをいくつも持っていますよ。

徳光:視聴者に受けるであろうことだけをやっていると、そういう引き出しが生まれて来ない。新しいものが生まれない。だから、悔しいけどいまじんをすごいと思うのが、そういうチャレンジをして「視聴者の半歩先」を行くところなんです。一歩先じゃなくて、半歩なんです。

相川:でも徳さん、なんで悔しいんですか?

徳光:そりゃあ、悔しいですよ。本当は僕たち司会者側が半歩先を行っていないといけないのに、それを制作会社に教えられたり気づかされたりするんですから。ほとんどの場合、僕の方がこのスタッフより3歩先を行ってるな、とか思うんだけどさ。

インタビュアー:—そういういまじんの半歩先を行く姿勢というのは、どこから出てくるものでしょうか?

相川:論理的にお話できないことなのですが、この人は30分の番組に最適だとか、この人は1時間の番組に匹敵するとか、そうした直感が働くんですよね。これは意外に外れない。

対談風景

徳光:やっぱりそういう人の周りには、ちゃんとしたもの作りをしたい人が嗅覚を働かせて集まってくるんじゃないでしょうか。この会社には何かがあるな、と。もちろん楽な業界ではないですから、入ってからしっぽをまいちゃう人も多いのは事実ですが、それでもいいと思うんです。その中から何人かが残ればいい。
もの作りをする人が若いうちに必要なことは、優しさと頭の柔らかさ、そして粘りっこさ。この会社に入って2年間鍛えられれば、その粘りが出てくる。粘りが出せる会社なんです、いまじんは。会長も社長も、人から色々と言われながら、それでも取材をして映像を作り続けてきた。最近DVDで出した『大海球紀行バハ・カリフォルニア』なんて、ロマンがあって本当に良いよね。あのロマンが実現できるようになったんですよ、この会社は。そこまできたんだよね。偉いよな、ほんと。

相川:そういう意味では、本当に成長できたと思います。この15年間以上、毎年新入社員を採り続けてきた成果が現れましたね。そうやって人を育てていくことは、業界の定めですし、使命だと思っているんです。その一方で、徳さんがおっしゃられたように、すぐにギブアップしてしまう人も増えています。本当にもの作りをしたいと思って来ている人が減ったように思うんですね。それは、僕たちの責任でもあると思うのですが、僕たちの子どものころや若い時代に比べて、テレビが魅力的なものではなくなってしまったのかもしれない。自分の子どもを見ても、テレビではなくインターネットばかり見ている。ただ点けるだけで、分かりやすく時代を映し出してくれる、こんなに素晴らしい箱は他にないよ、って思うのですが。

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