Special 01 全3話連載 Interview 「視聴者の半歩先を目指して」徳光和夫×相川弘隆((株)いまじん代表取締役社長)(取材・文:柏井万作(CINRA)/ 写真:寺島由里佳)

第3話 テレビ業界の「今」。そして、これからの「いまじん」自分でテレビ番組が作りたい、人様をあっと思わせるようなコンテンツが作りたいと思う人に集って欲しい。

対談風景

インタビュアー: —確かに今、テレビ離れが現実に起こっているように思います。それは「テレビのクオリティが落ちた」ということでしょうか?

相川:クオリティに関しては、良い部分も悪い部分もありますね。良い部分というのは、何度も番組の内容を確認して、音を変えたりスーパーを変えたりして納得のいく形で出せることですね。それで、こんな言い方をすると徳さんに失礼になってしまいますが、ある種自分たちの作った内容が言い足りていない部分を、出演者が一緒になって言ってくれれば良いんですよ。ただ、今のテレビ番組は、企画よりも出演者サイドに比重を置いて作っている場合が多いんです。

徳光:それがテレビをダメにしてきていると思いますね。たとえば昔のバラエティ番組なんかは、しっかりとリハーサルもして、アドリブなんてほとんどなかったんです。でも今は、アドリブでやって、スタッフ側の人たちも一緒になって笑っている。本当は一緒になって笑わないほうがいいと思うんですよ。こんなことが面白いのかよって言うほうが、出演者には刺激になっていいのかもしれない。

インタビュアー: —出演者任せになり過ぎている感があるのですね。

徳光:もちろん、全てがそうだとは思わないけどね。たとえば島田紳助とか、今田耕司とか、ダウンタウンとか、こういった優れた司会者たちは、過去の話題ではなく、常に現状から笑いを作り出していると思います。そうやって「ちょっと先のこと」で笑いを作れないと、その瞬間だけ笑いをとって忘れられてしまうんです。これでは何も残らない。昔のテレビ番組は、何かを残せていたんじゃないですかね。

対談風景

相川:残っていますよね。

徳光:テレビがそういうものになってしまったから、若い人たちが本当に何かを知りたい時にはみんなインターネットを見るようになってしまった。探せば知りたい情報にたどり着けますからね。でも、これって本当に悲しいことだと思うんです。新聞は、もちろん知りたい情報もあるけど、その他にも「こんなことがあったんだ!」っていう情報が載っているわけです。そこに新聞の価値があったと思うんだけど、今は興味のない情報に接する機会も必要性もなくなっている。それは、テレビというよりも、ITの責任が大きいんでしょうけど。とにかく、そういう時代になってきてしまったのは残念なんだけど、制作会社はそこのところを考えなければならない。こうした状況の中で制作会社が番組を作るとなると、今以上にクオリティの高いものを提供しなければいけないと思います。

相川:もちろんそうですね。手を抜いてはいけないところだと思います。

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