Special02 全3話連載「テレビ局」と「制作会社」の関係 高橋利之(日本テレビ)×相川弘隆((株)いまじん代表取締役社長)

1967年生まれ。大学卒業後、日本テレビに入社。現在、制作局シニア・チーフ・クリエイター/総合演出として活躍している。バラエティ番組や特別番組での演出・総合演出を手掛ける。主な担当番組に、『行列のできる法律相談所』、『人生が変わる1分間の深イイ話』、『さんま&SMAP!美女と野獣のクリスマススペシャル』などがある。今回のゲストは、『行列のできる法律相談所』や『人生が変わる1分間の深イイ話』といった人気番組で総合演出を務める、日本テレビの高橋利之さんです。「テレビ局」と「制作会社」の関係とはどういったものなのか、両者が共に仕事をする上で欠かせない事柄についてお伺いしました。さらに、「テレビ業界で求められる人材」といったテーマについても深く熱く語って頂きました。テレビ業界への就職を考えているリクルーターの方も必見の対談をお届けします。(取材・文:小林宏彰(CINRA)/写真:大槻正敏)1953年8月23日生まれ。1988年に柏井信二(現いまじん会長)とともに「(株)いまじん」を設立。『スーパーテレビ情報最前線』『THE・サンデー』(日本テレビ)など数々の番組を手掛け、2002年には『行列のできる法律相談所』(日本テレビ)を立ち上げる。また、『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ)『世界を変える100人の日本人JAPAN☆ALL STARS』(テレビ東京)のプロデューサーも務める。2009年4月に代表取締役社長に就任。

第1話 上下関係?それとも仲間? 率直に意見を言い合える関係こそが、良質なテレビ番組を生む。

テレビ局の「言いなり」になってほしくない

対談風景

インタビュアー: —テレビ局サイドとして、高橋さんが『行列のできる法律相談所』の制作会社にいまじんを選んだ理由はどんなところにあったのですか?

高橋:テレビ局から制作会社に仕事を発注する形ですと、僕らはあまり意識せずとも、両者間にある種の力関係が生じることがあるんですね。でも僕は、そういう状況の中でも、ちゃんとモノを言ってくれる人じゃないと一緒にはやれないな、と常々思っていたんです。そういう意味では、いまじんさんは必要以上に言ってくれる会社なんですよ(笑)。テレビ局の「言いなり」にはならず、前向きに色んなことを提案してくれるんです。

インタビュアー: —例えば、テレビ局側で気づかなかったことに目を向けさせてくれるような、うまいアシストがあったりするんでしょうか?

高橋:ありますね。編集所や技術関係のスタッフがこういうことで困っているみたいですとか、いち早く気づいて教えてくれるんですよ。そういう行動を起こしてもらえると、非常に助かりますね。

インタビュアー: —制作会社側としても、対等な立場で接していくことを常に心がけているんでしょうか。

相川:もちろんそうです。でも、中にはそういう接し方をしても、全く意に介さない人もいるんですね。ところが高橋さんの場合は、いつも僕らに仲間意識を持って、対等に付き合ってくれます。「こうした方がいい」という提案をしやすい環境を作ってくれるんですよ。これ、テレビ局と制作会社の関係にとって、すごく大事なことだと思うんですよね。

対談風景

インタビュアー: —対等に向き合えたほうが、より建設的な番組作りを行えるのですね。

相川:これはどんな仕事でも同じかもしれませんが、さきほど高橋さんがおっしゃられた通り、受発注の力関係を意識し過ぎると、「言いなり」になってしまう危険性があるんです。でも、それではクリエイターとしてより良い制作が行えなくなってしまいます。我々はあくまでも自分たちの「クリエイティブ力」を買って頂いていると思っていますから、建設的な提案は可能な限り行いたいんです。

高橋:『行列のできる法律相談所』にも、いまじんさんからの提案が活きているんですよ。率直に意見を言い合えない関係になってしまうと、やっぱりいいものって生まれてこないですよね。とはいえ、あまり言われすぎてもヘコむんですけど(笑)。

インタビュアー: —提案も苛烈なんですね(笑)。その結果番組が成功したわけですが、「局と制作会社」の関係だけではなく、「人と人」の関係もやはり重要なのでしょうね。

相川:もちろんそうです。高橋さんは、接していてとにかく気持ちが良いんですよ。ちょっと話は逸れますけど、彼と一緒に麻雀をやるとしますね。そのとき僕は自分の捨てた牌で彼に上がられても、つまり彼に振り込んじゃったとしても、ちょっと気持ちがいいんです(笑)。

高橋:え、マジっすか?!(笑)。

相川:だって、すごく気持ち良く上がってくれるでしょう?(笑) そういう「人」の部分が気持ち良い人と仕事ができるのって、本当にやりやすいし、楽しいものなんですよ。

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