—番組作りでは、高橋さんのどのようなところに惹かれますか?
相川:「何事も面白がろうとする」能力は、本当に天下一品だと思っていますよ。でも彼の場合、笑える面白さだけを重視しているわけではなくて、感動モノのVTRを見たりしてよく泣くんですよ。そういった、泣けるVTRを作るのも上手い。笑いだけではなくてペーソスっていうか、哀しさを表現できる感性もあって、本当に「テレビが好き」なんだなっていう感じが伝わってくるんですよ。
高橋:最近、歳を取ってきたせいか、すぐに泣いてしまうようになりましたね(笑)。
—高橋さんが総合演出をなさっている番組『人生が変わる1分間の深イイ話』には、「イイ話」を伝える1分間のVTRが登場しますね。毎回本当にクオリティの高いものに仕上がっています。
相川:1分間という縛りがあるので、視聴者にとって一番のフックになる部分をどう見せるか、スタッフは一生懸命考えていますね。最終的には、もちろん高橋さんと作っていくわけですけれども、僕がいつも言っているのは、視聴者の皆さんや、とりわけ島田紳助さんが見て「へぇ〜」っと驚いてくれるものを提供してほしい、ということなんです。これは大事なポイントですね。
高橋:たった1分間しかないからこそ、ディレクターによってクオリティの差が出てくるんですよ。同じ題材で作ってもらったとしても、どこを強調したいのかによって、出来上がりがまるっきり違ってきますから。
—なるほど。制作会社のディレクター次第で、内容に大きく差が出てくるわけですね。高橋さんにとって、良いディレクターの条件とはなんでしょうか?
高橋:「何か問題があったときに対処できる人間」ですね。時間も予算も十分にあって、キャストも揃っているならば、ある程度のキャリアがある人であればいいものを作れるんです。でも、そういう番組ばかりとは限らない。再現VTRの役者が来なかったとか、どしゃ降りでどうしても撮れないけど期限は明日だとか、そういう非常事態にしっかりと対処できる人間って、なんでもできると思うんですよ。発想をガラッと変えて、いま置かれている逆境をプラスにできる方法を考えられるのが、良いディレクターだと思います。もちろん、いまじんさんにもそういう方が何人かいますよ。
—そういうディレクターがいる制作会社が、テレビ局の信頼を勝ち得ていくんでしょうね。
高橋:そうですね。また、僕はせっかちなので、会議や打ち合わせをできるだけ短くしたいんですよ。そうすると、参加するスタッフは、事前に内容をしっかりと考えてこなきゃいけないんです。いいディレクターは、自分からアイデアを出してくるし、資料も完璧にそろえてきます。僕が企画を気に入らないと、代案も必ず出してくる。どうせ会議中にダラダラ決めるんだろう、っていう雰囲気で臨んでいたら、とてもそんなふうにはいかないですよね。そういう心構えを持っているのが、良いディレクターなんだと思います。









