

—まず、テレビ制作会社と広告会社では、番組制作への関わり方にどのような違いがあるのか、お伺いします。
相川:テレビ制作会社は、基本的に「良質な内容の番組をいかにして作るか」ということに力を注いでいます。良質な番組というのは、視聴者の好奇心を満たしつつ、テレビ局のステーションイメージやニーズとも合うような番組のことですね。仕事内容としては、まず下調べをしてから撮影に行って、素材を編集して完パケするという「実作業」です。
—番組のいわゆる「現場」仕事が主なんですね。
相川:そうですね。これに対して、広告会社の番組への関わり方は、我々とはバックボーンが違います。最も違うのは、広告会社は「お客さん」を持っている、ということ。番組の利益代表であると同時に、スポンサーの利益代表でもあるわけですね。 ちなみに松島さんは、現在進行形で番組制作にいくつ携わっているんですか?
松島:現在の担当部署としては、レギュラー番組で言うと10本弱でしょうね。
相川:10本ってすごい量ですよね。
松島:そうかもしれないですね。とはいえ、もちろん制作会社とは違い、現場作業にだけに従事するわけではなくて、番組のプロデュースや企画面で関わっています。
—テレビ番組のプロデュースや企画も、広告会社の仕事なんですね。
松島:そうなんです。もともと広告会社は、主として広告を作ってきた会社なんですが、民放は、スポンサーからの広告収入で成り立っているので、両者はそもそも関わりが深いんですよ。
—なるほど。民放の放送開始当時は、どのような番組が放映されていたんですか?
松島:まだVTRというものが少なかったので、生放送の番組中に生放送のコマーシャル(生コマ)を流していたんです。そのため、当時はスポンサーが伝えたい「商品の情報」と、「番組のイメージ」がとても密接な関係にありました。その頃から広告会社は、テレビ番組の企画やコンセプト作り、さらには制作面でも関わっていたんです。
—そうだったんですね。現在ではコマーシャルの種類も多様化していますが、番組イメージがスポンサーによって左右されることもあるのでしょうか?
松島:多少ありますね。視聴率の測定が始まってから、マーケティングを用いた番組制作が重要視され、ドラマやドキュメンタリーといったジャンルを含め「スポンサーの求める消費者像」に合わせた番組作りを意識するようになりました。ただ、最近は「視聴率が全て」という考え方ではいけないとも思っています。
相川:それ、本心ですか?(笑)
松島:もちろんです(笑)。視聴率が同じ10%でも、お笑い番組とドキュメンタリー番組では視聴者層が違うように、番組によって「質」が違ってきますからね。高視聴率の番組でも、スポンサーの求める視聴者が少なかったり、品のない番組だったりすると、スポンサーに不快感を与えてしまうんです。








