Special04 全3話連載テレビを面白くする「放送作家」 鈴木おさむ(放送作家) × 相川弘隆(株)いまじん代表取締役社長

1972年4月25日生まれ。放送作家。19歳の頃から放送作家としてのキャリアをスタート。以後、『SMAP×SMAP』、『いきなり!黄金伝説。』、『もしもツアーズ』など数々の人気番組に関わる。『人生が変わる1分間の深イイ話』では、コンセプトを担当。また、ドラマ『人にやさしく』や映画『ハンサム★スーツ』の脚本、舞台、ラジオなども手がける。妻の森三中・大島美幸との夫婦生活を描いた著書『ブスの瞳に恋してる』は、シリーズ累計50万部を突破している。今回のゲストは、人気放送作家、数々のヒットバラエティ番組を手がけてこられた鈴木おさむさんです。テレビ制作会社いまじん社長・相川弘隆と、放送作家と制作会社の関係についてを皮切りに、さまざまな話題について語り合っていただきました。テレビ界で成功する人材や、これからのテレビ界について、さらに鈴木さんのハチャメチャな夫婦生活まで、大盛り上がりとなった対談をお届けします。(取材・文:小林宏彰(CINRA) 写真:寺島由里佳)1953年8月23日生まれ。1988年に柏井信二(現いまじん会長)とともに「(株)いまじん」を設立。『スーパーテレビ情報最前線』『THE・サンデー』(日本テレビ)など数々の番組を手掛け、2002年には『行列のできる法律相談所』(日本テレビ)を立ち上げる。また、『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ)『世界を変える100人の日本人JAPAN☆ALL STARS』(テレビ東京)のプロデューサーも務める。2009年4月に代表取締役社長に就任。

第1話:「日本一「いらない」職業!?制作会社が「頼りにする」放送作家のチカラとは

面白い話をするだけじゃダメ

対談風景

インタビュアー: —今回は人気放送作家の鈴木おさむさんをお迎えし、まず放送作家とテレビ制作会社の関係について、お伺いしたいと思います。

鈴木:いきなり、シビアなことを聞かれるんですね(笑)。

相川:今日は「芸歴を教えてください」とか、生易しい質問は一切来ないですよ(笑)。

鈴木:覚悟しときます(笑)。制作会社と放送作家の関係って、テレビ局のそれとはまた違っていて、面白いですよね。

相川:そうですね。鈴木さんは、うちが制作している『行列のできる法律相談所』(日本テレビ)に、立ち上げ当初、関わってくれていましたよね。

鈴木:立ち上げたあと、特番として2回くらい関わらせて頂いたあと、レギュラーになる時に裏番組とカブったので、抜けたんです。でも、その後も総合演出の高橋利之さんとはお付き合いさせてもらって、8年くらい経ってから「レギュラーでガッツリやらない?」とお話をもらって始めたのが、『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ)でした。

僕はいま、構成に関わっている番組が、月曜日に集中してしまって困ってるんですよ。19時から『お試しかっ!』(テレビ朝日)、20時から『Qさま!!』、21時から『人生が変わる1分間の深イイ話』、22時から『SMAP×SMAP』。で、最近23時に『雑学王』(テレビ朝日)が入ってきたんです。

相川:そのうちひとつが特番になったりすると、15分ぐらいは確実に裏番組とカブっちゃうから大変ですよね。制作会社も、番組の時間帯がカブっちゃうと作れなくなるので、そこは困りますね。

インタビュアー: —毎日、ハードなスケジュールをこなしているんですか?

鈴木:会議が多いです。僕に求められていることは明確で、それは企画のパッケージや根本を作るという役目です。会議でよく言われるのは、細かい詰めは若い子とやるから企画の骨子を決めてください、ということですね。会議に行って、単に1時間面白い話をして帰ってくればいいわけじゃなくて(笑)、それはそれで大事なんですけど、ゴマカシはきかないところがあるんです。

会議のほとんどは「ムダ話」

相川:でも、面白い話をして帰っていくような作家もいなくなりましたね。それも作家の大切な役割なんですが。

鈴木:僕、『人生が変わる1分間の深イイ話』で高橋さんと2週間に1回、きっかり1時間のコンセプト会議をやってるんですよ。で、必ずそのうち40分ぐらいはムダ話をするんですね。でも、そこでいかに面白い話ができるかっていうのが、テレビの企画を考える上でもすごく大事だと思っています。そのかわり、残りの20分が濃ゆ〜い時間になるから、それはそれで大変なんですけど(笑)。

相川:そういう会議って珍しいですね。いまは大概ムダをなくす方向に行っているじゃないですか。

対談風景

鈴木:昔はひと番組に10人くらいの作家がいる会議もありましたけど、最近の会議では作家の数自体もだいぶ減りましたよね。それから、ここに4人の作家がいて10個の番組があったとすると、1人の作家が7番組を受け持ち、3人が1番組ずつ担当するような形になってきた。そういう状況の中で僕のところに話を持ってきてくれる人は、先ほども言いましたが求めているものが明確です。

インタビュアー: —それはどういったことなんでしょうか?

鈴木:例えばテレビ朝日なら、深夜番組を深夜で終わらせずに、ゴールデンに持っていくためにはどうすればいいかという相談をされますね。テレビ局のプロデューサーって不思議なもので、番組について一番最初に相談するのは局の人じゃなくて、制作会社や放送作家のような外の人だったりするんですよね。

相川:なるほど。深夜枠をただ埋めるんじゃなくて、ゴールデンへの試金石になるような番組を作れって言われるわけですね。

鈴木:「ゴールデンに向いてないソフトは要らない」って、ハッキリ言われることもありますよ。深夜番組で言われるんですからね、昔なら考えられませんよ。『お願い!ランキング』っていう番組を始めたときは、決まっていたのは「予算は今までより本当に低い」ことだけで、タレントは使えない、でもバラエティとして数字は取りたい、という要望で。じゃあランキング形式にしよう、とコンセプトを考えるとディレクターがすぐ撮影に入り、その間に次週のことを考えるっていう流れでしたね。

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