Special06 全2話連載「面白さをあきらめない」ディレクターの仕事 『しゃべくり007』『嵐にしやがれ』のチーフディレクター・川端鉄也インタビュー

前回の中山準士さんに引き続き、いまじんのディレクターとして『しゃべくり007』や『嵐にしやがれ』など数々の人気番組を手掛ける川端鉄也さんにお話を伺いました。打ち合わせを一切しないという両番組の舞台裏や、「もう何も思い残すことはない」とまで言い切った去年の『24時間テレビ』まで、これまで培ってきた経験から語るディレクター論とともに2話に分けてお届けします。取材・文:タナカヒロシ 撮影:柏井万作1976年生まれ。関西学院大学卒業。2000年入社。2002年より『行列のできる法律相談所』(日本テレビ)、『落下女』(日本テレビ)のディレクターを経て、2007年には『NIPPON@WORLD』(フジテレビ)チーフディレクターを担当、また2008年より『しゃべくり007』(日本テレビ)、2010年より『嵐にしやがれ』(日本テレビ)のそれぞれチーフディレクターを現在まで務めている。

第1話 打ち合わせをしないほうが、面白い番組ができる!?

即興でできあがっていく番組の面白さ

インタビュー風景

インタビュアー: —まず最初に、川端さんがいま担当されている番組を教えてください。

川端:『しゃべくり007』『嵐にしやがれ』を担当しています。あと、去年の『24時間テレビ』と『うわっ!ダマされた大賞』でもコーナーを担当しました。

インタビュアー:—実際の仕事内容はどんな感じなんですか?

川端:『しゃべくり007』も『嵐にしやがれ』もチーフディレクターというポジションなんですけど、普通の番組とは役割分担がちょっと違っていて。普通はスタジオ進行を演出するディレクターと、スタジオで流すVTRを作るディレクターに分かれていて、それを最終的に一本にまとめて番組ができあがるんですね。だけど僕が担当している2番組は、基本的にVTRに当たるものがなくて、スタジオ進行だけなんです。

インタビュアー: —ということは、ひとりのディレクターが番組をまるまる作っている?

川端:そうなんです。だから仕事内容としては、1回のオンエアにかかわるほぼすべてのことをやっています。両番組とも各6~7班に分かれていて、だいたい3週間に1回担当がまわってくる感じですね。ウチの班の場合、制作現場は僕とADさん2人の計3人で制作しています。

インタビュアー: —そんな少ない人数でやっていたんですね!

川端:正直けっこう大変ですけどね(笑)。だけど、いい意味で日本テレビの総合演出・川邊昭宏さんに自分をぶつけることが出来ますし、責任を持って放送に向き合えるので、そこはやっていて面白いなと感じてます。その反面、どうしても自分だけで成立しちゃうので、マイナスの資質を補ってもらえないということもあります。普通の番組と比べてディレクターのキャラが色濃く出るので、わかる人がオンエアを見れば、今週は誰の担当回だなとか、すぐにわかると思いますよ。

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インタビュアー: —各担当番組の見所は?

川端:いちばんの見所は、やっぱり出演者ですよね。『しゃべくり007』だったらあの7人だし、『嵐にしやがれ』だったらあの5人。どちらの番組も出演者と打ち合わせをせずに、即興で進行しているんですけど、そういう状態でどう番組ができあがっていくか。そこが最大の見所ですね。

インタビュアー: —打ち合わせはまったくしないんですか!?

川端:してないです。「ここでこうしゃべってほしい」ということをまったく伝えられないので、ものすごく難しいんですよ。だけど、事前に台本を渡して打ち合わせをする番組っていうのは、出演者というよりもディレクターである僕が考えていることなんですね。トーク番組とかでも、結局はしゃべっていることをディレクターが再構築しているので、基本的に僕の頭の中で描いた地図を超えてこないんです。でも、打ち合わせをしないで本番をやると、そこを超えてくるんですよ。

インタビュアー: —そこを超えるための構成をいかに考えるかが重要になる?

川端:そうですね。ただ、そのきっかけを考えたり、最後のオチを予測することはあっても、こうなるだろうなって思ったことが、そうならなかったときがいちばん面白い。やっぱり予定調和じゃないっていうことが面白いんでしょうね。

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